論文はどう探したらいいの?探し方と併せて論文を読めるサイト10選をご紹介
論文を探したくても、思ったように見つからないことはありませんか。本記事では論文を探す方法やオンラインで論文を読めるサイト、調べた論文をどう活かしていくかについて紹介しています。手早く論文を見つけて自身の研究に役立てたい方は、こちらの記事を読んでみてください。
「論文を探さないといけなくなった。でもどう探せばいいの?」
「様々な論文を簡単に読む方法ってないかな」
論文は毎年様々なものが発表されています。膨大な論文の中から、自分が見たいものを探し出すのは手間がかかるでしょう。
本記事では論文を探す際にどう探せばいいか、オンラインで論文が読めるサイトにはどのようなものがあるかを紹介しています。論文を探すためにいくつか方法があることを理解し、適切に探して読めるようになるでしょう。
また見つけ出した論文の使い道についても紹介しているため、自分の研究に見つけ出した論文をどう活かしていけばいいかについても分かります。
論文の探し方が分からない方や、先行研究の論文を自分の研究に活かす方法を知りたい方はぜひ、こちらの記事をチェックしてみてください。
目次[非表示]
- 1.論文を探す代表的な方法
- 1.1.論文検索サイトを利用する
- 1.2.大学図書館を利用する
- 1.3.先輩や先生に聞く
- 2.調べた論文の使い道
- 3.オンラインで論文を読めるサイト10選
- 3.1.【無料】Google Scholar
- 3.2.【無料】Semantic Scholar
- 3.3.【無料】BASE
- 3.4.【無料】CORE
- 3.5.【無料】Science.gov
- 3.6.【無料】Baidu Scholar
- 3.7.【無料】RefSeek
- 3.8.【一部有料】J-STAGE
- 3.9.【有料】学術機関リポジトリデータベース(IRDB)
- 3.10.【有料】CiNii
- 4.ネットを活用して論文を読もう
論文を探す代表的な方法
研究を進めていくためには、過去に作成された「論文」を探して知識を得る必要があります。しかし、世の中にどのような論文が発表されているか、どう探せばいいか分からない方もいるでしょう。
ここでは、論文を探すための方法を紹介します。論文を探している方は、以下の内容を参考に探してみましょう。
論文検索サイトを利用する
論文を探すとなったとき、もっとも手軽に探す方法は、論文検索のためのサイトを利用することです。
通常、パソコンで検索する場合、検索サイトを使うことが多くなります。しかし、検索サイトで論文を探そうとすると、膨大な検索結果が表示され、探したい論文を見つけられない可能性が高いでしょう。
論文検索サイトであれば、その心配は少なくなります。マイナーな専門分野の論文を探すことに適したサイトや、外国語の論文を探すことに向いたサイトなどもあるため、見つけにくい論文を探しやすくなるでしょう。
大学図書館を利用する
大学で研究している方の場合は、大学図書館で論文を探してみましょう。
大学の図書館では、学術雑誌が専門分野ごとに設置されているため、探しやすいことが特徴です。自身の研究に必要な論文を、すぐに探すことができるでしょう。
しかし、大学図書館のスペースには限りがあるため、収蔵されていない学術雑誌もあります。まずは探している学術雑誌が収蔵されているか確認した上で、大学図書館を利用してください。
先輩や先生に聞く
自分が研究したい内容を先輩や先生に話して、おすすめの論文はないか聞いてみましょう。
先輩や先生は自分よりも長く研究に携わっており、その分様々な論文を読んでいるでしょう。そのため、おすすめの学術論文や研究者を教えてもらえる可能性が高くなります。
また、どのような論文を探せばいいか分からない場合はとくに、先輩や先生に相談してみることがおすすめです。自分では気づかなかった視点で、参考になる論文を教えてもらえる可能性があります。
調べた論文の使い道
自分の研究の独自性や新規性を保つため、先行研究でどのような論文が発表されているかを知り、自分自身の研究に活かしていきましょう。
先行研究の論文を読むことで、自分の研究のニーズや価値を理解できるようになります。研究を進める際に役立つ情報を、先行研究の論文から得ることも可能でしょう。先行研究では解決していない事柄を、自身の研究テーマにつなげることもできます。
論文を読む際には、内容に疑問点がないか注意して読みましょう。複数の論文を読み比べ、共通点や相違点を探しておくことも大切です。
オンラインで論文を読めるサイト10選
ここからは、オンラインで手軽に論文を読めるサイトを紹介します。
現代では、多くの論文が電子化されています。そのためインターネットを使うことで、図書館に出かける必要なく、自分の探したい論文を見つけることができるでしょう。
サイトの中には無料で利用可能なものや、一部有料なもの、有料のみで利用可能なものがあります。それぞれの特徴を押さえて、自分の目的に合った検索サイトを利用してみましょう。
【無料】Google Scholar
学術専門誌や論文、要約といった学術資料を検索できるサイトです。
Google検索と同じように、検索窓に検索したいワードや論文の著者名を入力することで結果が表示されます。そのため使い方は分かりやすいでしょう。論文を直接閲覧でき、中にはダウンロードできるものもあります。
また、論文の検索結果画面に、その論文が何回、他の論文に引用されたかが表示されます。引用回数の多い論文は信頼性が高いため、参考にしやすいでしょう。
【無料】Semantic Scholar
近年公開された、学術文献検索サービスです。AIのアルゴリズムを使用し、関連性の高い論文を見つけやすくなっていることが特徴でしょう。
現在は全科学分野を範囲とし、約1億9,000万の論文が検索対象です。
AIによって、論文の中でとくに重要な引用を特定し論文を推薦するサービスや、論文閲覧時に用語や引用文献を詳細に表示するサービスなどを行っています。
【無料】BASE
ドイツのBielefeld(ビーレフェルト)大学図書館が運営しています。4,000を超える機関等のソースからデータを収集していることが特徴です。
様々な機関から出ている情報や知識などのデータベースを、1か所からのエントリーでまとめて検索したい場合におすすめのサイトです。検索できるデータのうち、約60%のドキュメントに無料でアクセスできます。
出典:BASE(Bielefeld Academic Search Engine)|Bielefeld University Library
【無料】CORE
オープンアクセスになっている研究論文の、検索に特化しているサイトです。
検索することで、全文が記載されているWebサイトやPDFへリアルタイムでアクセスできます。検索結果を表示して全部を読めることが、おすすめポイントです。
オープンアクセス誌に掲載された論文や、各種リポジトリに収録されている論文などが対象になっています。
【無料】Science.gov
米国エネルギー省の科学技術情報局とCENDIが提携、管理しているサイトです。米国連邦政府機関のリソースを、一括で検索できることが特徴です。各政府機関の情報をまとめて検索できるため、効率的に論文を探せるでしょう。
英語の検索サイトで、論文の量がかなり多くなっています。
また、NASAやNISTなどの機関も、米国連邦政府機関メンバーとして含まれています。
【無料】Baidu Scholar
中国のWeb検索大手が提供している、研究論文の検索サービスです。
「Baidu Scholar」は、中国語で利用可能なサイトです。しかし、世界中で発表された研究論文が対象になっているため、中国語の論文だけでなく、英語の論文も検索できます。
論文を検索した際に、論文の著者や掲載された学術誌の情報、論文がどれだけ引用されたかも検索画面に表示されるため、使いやすいでしょう。
【無料】RefSeek
Webページや百科事典、雑誌や書籍などの10億以上の文書を検索できる、誰でも無料で利用可能な論文検索サイトです。
「RefSeek」は様々な人が、簡単に学術情報にアクセスできるようにすることを目的として、運用されています。そのため、研究者だけでなく、学生で論文を探している人にも利用しやすいサイトになっているでしょう。
【一部有料】J-STAGE
国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が運営している、日本国内で発行されたジャーナルや会議録等を公開しているサイトです。
「J-STAGE」で公開されている記事のうち、9割以上は無料で閲覧できます。また、無料でアカウントサービスに登録が可能です。
アカウントサービスに登録することでよく使用する検索条件を保存するサービスや、いつも閲覧している資料の最新版が発行されたら通知する、というサービスも利用できます。
出典:J-STAGEの概要|国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST)
【有料】学術機関リポジトリデータベース(IRDB)
特定の学術機関の論文を読みたいと考えたときに、その学術機関が作成した論文を素早く見つけられ、読むことができるサイトです。
「学術機関リポジトリデータベース(IRDB)」は、日本国内の学術リポジトリで登録されたデータを収集し、データベース・サービスとして提供していることが特徴です。機関ごとに、その機関に在籍する構成員が作成した論文、資料などをリポジトリに収集しています。
出典:学術機関リポジトリデータベース|国立情報学研究所 (NII)
【有料】CiNii
論文や書籍、博士論文などを学術情報で検索できる、データベース・サービスです。
論文を検索する際は、論文に含まれるキーワードを検索することで、論文が掲載されているサイトや、収蔵している図書館が検索結果に出てきます。
オープンアクセスの論文であれば、「CiNii(サイニィ)」から直接読むことも可能です。
出典:CiNii Research|国立情報学研究所 (NII)
ネットを活用して論文を読もう
ここまで、論文の検索方法や論文が読める代表的なサイトを紹介しました。
研究する際に、先行研究の内容を知ることは重要です。先行研究の内容を知ることで、自分の研究の新規性や独自性を保ち、その研究にどれほどの価値があるかを推測できるようになります。
また、論文を探す方法は多く存在します。従来のように図書館で探す方法もありますが、現代ではインターネットが普及しているため、オンラインで論文を読めるサイトを探せば効率がいいでしょう。
それぞれのサイトの特徴を参考に、自分に適したサイトで論文を探してみてください。